5.ティータイム
「ノド渇いた……」
生徒会室のイスにぐったりと座りながら俺は呟いた。
「今日は暑いもんねぇー……」
生徒会室内の気温は24℃、さっき見た廊下の温度計は30℃。
本当、生徒会室にエアコンがあって良かったって今日はつくづく思った。マジで私立最高!私立万歳!!
あー……でも今日最後の授業が体育だったのがすっげぇ憎たらしい。
しかも外だし、こんなクソ暑い日にサッカー?マジふざけんな。
そういえば朝見た天気予報だと今日の最高気温は32℃って言ってたような。
……何で夏はこんなに暑いんだろーな。
「あ、ねぇ瞑くん。冷蔵庫にね〜冷たい紅茶あったよ!じいやが作ってたやつ!!」
「じいやが作ってた……ってそれ、姫専用の飲み物だろ?勝手に飲んだらヤバイって」
「むぅ〜……でも水よりましじゃないかな?」
「いや確かに、水よりマシだけど」
「僕、外に買いに行くのやだー」
「俺様だって嫌だっつーの」
……
…………。
「……泰、ティータイムにすっか」
「うん!」
グラスに注いで一口飲む。
流石というべきか、なんというべきか。高橋が作る紅茶は本格的で最高に美味い。
……飲ませる相手が姫なんだから当たり前だけどさ。
でもやっぱ絶対、高橋の奴キレるよなー……勝手に人様の茶を飲んだんだし。後で何て言い訳すっかな。
まぁ、でもそれより――
「ねぇねぇ、瞑くん」
「ん?」
「2人っきりでティータイムって結構楽しいね」
「……だな」
今は泰と2人っきりでのティータイムを楽しむ事を優先する事にする。
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