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12.晴れ


「晴れたぁ~!!」

5日振りに見る太陽はとても眩しい。
泰はこれでもか!というほどはしゃいでいた。

「本っ当、泰はお子様だな」
「ぶぅー……瞑くんのバカ、死んじゃえ」
「うわ、ひでぇ~……」

ふくれっ面をしながらさりげなく酷いことを言うよなぁ……泰は。

「でも、瞑くん。晴れた空を見ると、心まで明るくならない?」
「そうかぁ?」
「うん!何かすごく明るい気分になるよー!」

そりゃお前だけだろ、と言ったら軽く殴られた。

「……でも、考えてみると」
「?」
「……確かに、何となく少しだけ明るい気持ちになるよなぁ」
「でしょ~」

道には水たまりが出来ていた。
泰はわざとその水たまりをそおっと踏んでいる。


その時の泰の無邪気な顔は、眩しいくらいの笑顔で、
その笑顔が……とてもいとおしくて、

絶対に大切にしたい存在だと、俺は再確認した。


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