「えへへ〜♪」


「……おい」



何もする事がない泰に「生徒会室で自由に過ごしてろ」と俺は机で泰がするはずの仕事をしながら、ソファーで暇そうにしていた泰にそう言った。



…言ったが。
そんな発言した5分前の俺自身を怨みたい。




「…そんなに楽しいか?」
「うん!」



…はぁ。
無意識に溜め息が出た。




泰は大人しく室内にあるトランプやらボードゲームで遊ぶかと俺は思っていた。




「…あんまり引っ張るなよ?」
「わかってるよぉ〜♪」




と言いながら、相変わらずぐいぐいと俺の髪を引っ張っている泰。




そう。
何を考えたのか、泰は俺の髪で遊び始めたのだ。




鼻歌まじりに俺の髪をいじっている泰は本当に楽しそうに遊んでいる。



…まぁ、こんな事で楽しんでくれれば幸いと言えば幸いだが。
俺のメガネをいじられるより、かなりマシだ。


しかし、散々髪を引っ張られて痛い…



「できたぁ♪」



そう言った泰は、奥にある折り畳みの鏡を「見て見て〜☆」と言いながら、俺の目の前に置く。
鏡に写る自分を見た瞬間に、俺は一瞬だけだが言葉を失ったな。



「……おい、泰」
「ん?なになに〜??」
「これは何の髪型だ…?」
「みつあみだよ♪」



泰にそう言われて、俺はもう一度鏡を見る。




…念の為にもう一度。




俺の知っている『三つ編み』とは決して記憶が合わないその髪型を見て、俺は何度目か忘れてしまった溜め息をついた。









――放課後に起こす不可思議難解現象。
(えっとー次はぁ…)(まだやるのか…?)