※この先、砂糖はきそう。 いきなりに。 それで唐突に。 僕は瞑くんから告白された。 +love…??+ 「嘘だ!瞑くんの嘘つき」 「嘘じゃねぇよ!」 びっくりした…! びっくりした…!! いきなり瞑くんが真顔になったと思ったら、突然『好きだ』と言われた。 「どうせ、いつもみたいにからかってるんでしょ!!」 「何でそうなるんだよ!」 「瞑くんはいっつも僕をいじめるもん!」 頑なに信じたくなかったの。 …だって、夢と思いたいから。 だって、いつもの瞑くんはこうやって僕をからかうから。 …だから、夢だと思ったの。 「…ったく、どうやったら信じてくれんだよ……」 瞑くんは困った顔をする。 …本当は解ってるよ。 さっきの言葉が本物だって事。 だって、 こんな困った顔で、僕に冗談なんか言うはず無い。 「知らないっ!瞑くんはいつも僕をいじめて泣かすくせに、いきなりそんな顔でそんな言葉言われ…たら……」 「…泰?」 「……信じたくないのに、ちょっとだけ、信じちゃうんだもん」 ぽたぽたと僕の目から溢れてくる、なみだ。 瞑くんは驚いた顔をして僕を見てる。 正直、僕だって、驚いてる。 だって、たぶんそれは…… 「おま…何泣いてるんだよ」 「泣いてないもん」 「泣いてんじゃん。…そんなに嫌か?」 「ちが…!」 嫌か?って言った瞬間の瞑くんの顔はとても、悲しそうな顔だった。 違う。 違うの。 瞑くんに誤解を招きたくなくて、必死で僕は涙を止めようとしてみる。 けど、どうしようもなくて。 止めようとすると余計に涙は溢れてくる。 嫌じゃない…! 嫌なんかじゃない…!! むしろ… 「ごめんな」 「何で、謝るの…」 「泣かせるほど、嫌な思いさせた」 「違う!」 「とお、る…?」 「嬉しい…だけだもん。嬉しいんだも…!!」 言葉にして言うのが急に恥ずかしくなって下を向きながら言うと、 急に腕を引っ張られて瞑くんに抱きしめられた。 いつもからかわれて、こういう風に抱きしめられる事がある。 でも、今、ものすごくドキドキするのは、 僕も瞑くんの事が大好きって事…?? 暫くすると、いつもと違う…瞑くんの優しい笑い声が聞こえてきた。 どうしたのかな?と思って顔を上げると、 瞑くんはさっきの顔じゃなくて凄く嬉しそうな顔をして僕を見ていた。 「瞑くん…?」 「好きだ、泰」 「…っ!」 「……泰は?」 もう一度、瞑くんは僕に好きだって言った。 …今、絶対僕の顔…真っ赤だと思う。 それを知ってるくせに、わざとそんなこと聞いてくる。 やっぱり、瞑くんはいじわるだ。 「むぅー聞かないでよぉ、ばかぁー…」 「……っ、泰はさ、時々嫌味なくらいに俺を誘うよな」 「さそ…っ!?違うもん!」 「ま、そこら辺が良いんだけど」 「うぅー…」 ケラケラ笑う瞑くんに、ぶーっと膨れっ面をしてみせるけど全然効かない。 しかも、僕の頭をポンポンと叩く。 もう、子供じゃないのに。 「ごめん。今まで沢山泣かせて」 「むぅー…。いじめた事については?」 「謝る謝る。ごめん」 「きもち、こもってないように聞こえる」 「泰」 いきなり真剣な顔つきになって瞑くんは僕を見る。 その顔つきに僕は何も言えない。 言葉が出て来ないんだ。 そんな僕に瞑くんは今まで見せた事ない優しい笑顔で、僕にこう呟いた。 「今まで泣かした分だけ、俺が幸せにしてやる」 嬉しくて、またなみだが出た。 そんな僕に瞑くんは少し慌てて。 そんな瞑くんが面白くて、僕は泣きながら笑った。 ねぇ、かみさま。 今だけ、僕が世界で一番幸せ者だって思ってもいいよね……? --*--*--*--*--*-- 少女漫画読みすぎた。