ちょっとからかってやろう。 鬼畜副会長の暇潰し 「泰、口にソースが付いてる」 「うにゅ〜?」 「ほら」 「ありがとう恵くん〜」 最近、瞑が生徒会に来ないどころか部活もサボっているらしい。 (まあ理由は解りきってはいるが。) その話を聞いた俺は生徒会メンバー皆の前で一つの罰を与えた。 『一週間、泰に話かけたりちょっかい出したりする事を禁じる。』と。 泰は意味わかっちゃいないみたいだが、とりあえず俺の言うことをちゃんと聞いて瞑を無視し続けている。 他のメンバーも面白半分で仲間になってくれていた。 瞑への罰は泰をダシにした内容が一番効く。 今回のこれも余程瞑には堪えているらしい。 今日で6日目。 それだけでも瞑が段々イラついてきているのが目に見えてきた。 あと残り1日。 最後の最後にもうちょっとだけ、瞑をからかってやろうと思った。 そう、それがこれだ。 「全くお前はそそっかしいんだから」 「うぅー…気をつけるもん」 「そうか」 そう言って泰の口についていたソースを取った指をそのまま自分の口へ持ってきて舐めた瞬間、ダン!とテーブルを叩く音が聞こえた。 …とうとうキレたか。馬鹿が。 そう、俺は普段瞑が泰にしている事をわざと目の前でやっているのだ。 それにしても、とうとう幼馴染みにも嫉妬か。…俺がコイツが恋愛感情として好きとかそんなの無いに知っているくせに。本当に馬鹿過ぎて思わず鼻で笑う。 「…なに笑ってんだよ」 「いや?お前は馬鹿だな、と。あと1日だ、我慢しろよケダモノ」 「ケダ……、本気で絞めるぞ」 「俺とケンカして一度も勝てない人間がいうな」 そう言うと、瞑は「…っ」と言葉を詰まらせる。 小さい頃から何回かケンカ…時には殴り合いにも発展したこともあるが、俺は負けた試しがないのを瞑は身をもって知っている筈だ。 横で泰が「虐めすぎはよくないよ?」と小さく言ったが「良いんだ」と泰の頭を撫でながら俺は瞑に聴こえないように囁いた。 俺だってたまには暇潰しがしたいんだ。 だから、もう少し楽しませてくれ。 なあ?